最悪の休日

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朝、目が覚める。

今日は休日だ、溜まった課題を片付けよう。

寝起きで朦朧としている頭の中で比較的前向きなことを考える、勢いで声に出てしまっていることには気づいていたが、

突発的な独り言はいつもの俺なので気にしないようにしている。

時計の針は11時を指している、いつもより早起きなことをお得意の1人語りで褒め称え、布団から立ち上がる

今日は妙に頭が冴えている、朝食の食パンを焼き、食後に歯を磨く何がないルーティンが滞りなく行えたのは実に何年振りだろうか、こういう特別な日を俺は大切にしたい。

昼、目が覚める。薄々気づいていたが、覚めてしまったものは仕方がない。

つい溜まった課題なことを思い出すが、どうせやらないことだ、考えないことにする。

しかし俺も人の子のようで、何かしらの作業をしていないと強烈な不安に襲われることを知っている。

なんでもいい、なんでもいいとボソボソ言いながら結局目の前のゲーム機に手が伸びる自分が情けない。

たとえゲームでも何もしないよりマシだなどという根拠のない自論に動かされるだけの一日が始まる

時計の針は16時を指している

長針であると願いつつ、這いずるように布団から抜け出す。

時計を見て焦ったなど言い訳をし、昨日から着続け俺の汗を吸いきった衣服と悪臭を放ち不快感の漂う身体を処理するために風呂に向かう。

道中据え置きテレビでYoutubeを堪能したことは言うまでもないが、僅か40分足らずで画面を消せたことは自分でも驚いた、新記録だ。

今日一度もトイレにいっていないことに気づき渋々便座に座り、立ち上がり、自動で流される音を聴きながら風呂場に向かい、テレビをつけ、服を脱ぐ。

頭を洗い、シャワーを済ませて風呂からあがる。

一般的には湯船に浸かることを”風呂に入る”と呼ぶそうだが、我が家の風呂がこんな時間に沸いている訳がないのでここまでの一連の流れを風呂と呼んでいる。

身体をふき、服を着替える。不快感が無くなり清々しい感覚、今日唯一明るくなれる時間だ。

今ならば何でもできる気がする。そう思った俺の足は流れるように布団に向かい、寝そべり、ゲーム機を起動し始める。

もはや俺にとっての[何か]とはゲームのことなのかもしれない、いや、並行して有線イヤホンでYouTubeを聴き流しているので[ゲーム+何か]だろうか

スマホ画面の時計が嫌でも目に入る

21時、晩飯の時間だ。親が作り置きしているしょうが焼きを再加熱する。

リビングまで持ってきているスマホをいじり始める。

1動画1分未満の投稿を延々とスクロールする。レンジの音がうるさい

21時50分、スマホの充電が気になり始めた頃、ようやく晩御飯のことを思い出しレンジから取り出す。ぬるい

しかしもう一度チンすることほど無駄なことはないので晩飯を開始。特に味噌汁がまずかった。

風呂、着替え、飯、とりあえず今日やることは終わったのでいつもの布団に戻る。

大体このくらいの時間になると妙な疲労感に襲われるので夜は何もしないし出来ない。

とここで今まで死んでいた理性がふと蘇り、今日何もしていないことに気づくが時すでに遅し。

いまさらこの布団から離れられるほど俺はできた人間じゃない。

夜はasmrを聞かないと寝られないのでスマホの充電が30%を上回るまでYouTubeを見ながら適当に時間を潰し、今日が終わる。

人間の生活がしたい。

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